ゴールデンウィーク真っ只中、いかがお過ごしでしょうか。
GW中はどこに行っても混んでてどうにもならん、などと言い訳をしつつ、出掛けている人を羨ましそうに眺めている今日この頃。
今日こそは良い作品を作るぞ!っと意気込みながらまずはブログの方いってみましょう。
本日はウォレットのリペア&メンテナンスのお話。
当店のウォレット永らくご愛用頂いているお客様から、度々メンテナンスについてのお話を頂いておりました。
お問い合わせについては丁寧に回答させて頂いておるのですが、順を追って説明すればもっとわかりやすいかな?などと思い、今回リペア&メンテナンスのご依頼を頂いたウォレットを例にご紹介させて頂ければと思います。
また、各パーツが壊れ、だましだまし使っているというお客様のリペアの参考になれば幸いです。
まずは、モデルとなるウォレットのご紹介。


こちらのウォレット、2008年12月に納品させて頂いたウォレットとなり、5年弱ご使用頂いたウォレットになります。
かなりヘビーにご使用頂いたようで、かがり部は一部切れてなくなり、マチが外れ財布を開けると左側面フルオープンという状態でした。
このような状態から、まずは残っているかがりをすべて外していき、分割できるパーツを出来るだけ分解していきます。

幸いにも平縫いの部分はまだまだ綺麗でしたし、革もまだ充分ご使用頂ける状態でした。

分割が出来たら各パーツの洗浄に入ります。
サドルソープを使い、汚れを落としていきます。
汚れが落ちたら、革を乾かして続いてレザーコンディショナーを入れていきます。

コンディショナーは革に保湿を与え、油分が抜けて硬くなっている革を柔らかくしてひび割れを防止する効果があります。
最後に、レザードレッシングを入れていきます。

レザードレッシングは油分の補充と艶出しの為に使います。
これで、革のメンテナンスは一通り終了しました。続きましてリペアに入ります。
今回のリペア箇所は、かがり部の編みなおしがメインで、ハトメリングの付け直し、ディアレースの付け直し等を行いました。
一番大がかりなかがりの編みこみにスポットを当てご紹介いたします。
まずは、かがりに使用するレースですが、エイジングしていないレースを使うとウォレット本体と色の違いが出すぎてしまいます。
それが良いというお客様もいらっしゃいますが、今回はなるべく色の違いが出ない様に染料で本体のエイジングに近いように染めたレースを製作します。
まずはかがりに使うレース用のディスクを切り出します。

通常のナチュラル色のサドルレザーになります。
こちらを染めていくとこのような状態に。

ムラの無い様に染めていき、染めあがったディスクを切り出すとこのような感じに。

このレースをベベリング等の処理をし仕上げたレースがこちら

こちらのレースを既存の平目穴をトレースしながら編み上げていきます。
そのような作業し、リペア&メンテナンスご終了したウォレットがこちら


このように、まだまだご使用頂けるウォレットになり再び納品させて頂きました。
ちなみに、こちらのメンテナンス方法は弊社取り扱いの革に適したメンテナンス法となり、他社製品に関してはそれに適したメンテナンス法をご使用下さいます事をお願い申し上げます。
長くなってしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございました。
今日も頑張っていきましょう!