革にまつわるetc.

こんばんは、既に3月、時の経つのは早いものです。

そんななか、今日は久々の素材の話。

実はある案件で使用する、非常に分厚い牛革を探しました。

探すのにかなり苦労しましたが、やっと見つけたこちらの革。

原皮はアメリカ五大湖周辺で育った牛の皮で、夏の個体のいわゆる夏原皮のみを仕入れているタンナーさんの革で、
ミモザ、チェスト、ケプラ、ワットルが入ったピット層でじっくり2か月半の間タンニンを染み込ませた多脂革。

この革、分厚い所で9mm位あります。

タンニンがたっぷり染み込んでいるので重さは有るのですが、9mm厚と想像するとガッチガチのレザーを想像するかもしれませんが、この厚みの割に非常にしなやか。

これから製作するアイテムにぴったりの革を見つけることが出来ました。

ちなみに、私自身この革をとても気に入りましたので、次回入荷分から、レギュラーで使用するサドルレザーはこの革(もちろん薄く漉きます)を使用しようと思っています。

まずはこの革、製品になるとどんな表情になるかご期待下さい。

新入荷のstamp work pipestoneコンチョ

冬晴れの一日いかがお過ごしでしょうか。

本日は新入荷の堀江純作のシルバーコンチョのご紹介。

去年の中ごろからいろいろ構想を練り出来上がった物がこのコンチョになるのですが、

こちらのコンチョ画像を見て頂くとわかるかと思いますが至ってシンプル、
でも何か目に留まる、そんな魅力のあるコンチョになりました。

まず、基本はラコタのウォーボンネットデザイン、菱形が連なったデザイン。
しかし、良く見るとポイントポイントに大きさの違うスタンプを打ち、見方によっては四方向を差すメディスンホイールの形も表しています。

そして、センターに鎮座する石はサンゴではなくパイプストーン。
パイプストーンとは、ラコタのピースパイプの火皿に用いられる石で、
ラコタの人はこの石を先祖の血で出来た石といい、ある一部の鉱山でとれる石のみをパイプの火皿として使うそうです。

そんな石なので、こういった装飾に使うのはどうなのかな?なんて思ったのですが、
そこはラコタに精通している堀江氏だけに、こういった答えが帰ってきました。

【サウスダコタにいるときに知り合いのメディスンマンから、装飾に使うなら火皿を使うのに余ったパイプストーンを使うんだよって言われた、僕はそういった石を使っているので問題ないよ】
その一言を聞き安心してお願いが出来たパイプストーンコンチョ。

何か目に留まるコンチョ、おそらくそういった点で、惹きつける力が有るのかもしれません。

堀江氏は作品の中にストーリーが閉じ込める作風を得意としますが、
このコンチョは、ラコタとの人たちとの経験や体験がもとになり形になった、彼自身のストーリーが詰まった作品ではないかと思います。

菱形と赤い石付ければいいってもんじゃないんだよ!ヒヒヒッてつぶやく堀江さんの声が聞こえてきそうな今日この頃、このコンチョをどう生かすか、少し肩の荷が重い仕事になりますが、お楽しみされてください!

という事で今日はこの辺で、皆様良い一日を~

新入荷!

少しひんやりする風が吹く本日。

空から物騒なものが落ちてこない事を祈りつつ、本日もスタートしました。

実は先日、昔から付き合いのある方が亡くなりました。

その方はこの道60年というベテラン。

この道60年って、文字にしてもすごいですよね。

でもその人はいわゆるふつーのおじいさんで、得に上から的な感じはなく、僕に頼みごとする時など、こっちが恐縮するくらい腰が低くて、どんなトラブルでも解決してしまう人でした。

不思議と僕の知っている職人と言われる人たちはこういう人が多いです。

威張らず、温厚、気さくでいて、やるべき事、言うべき事はしっかりやる、みたいな。

そんな生き様を見れたのは僕にとって貴重な財産でした。

恐らくマネしても同じ風には生きられないけど、少しでもこんな立ち振る舞いが出来ればいいな~と思っています。

この場を借りて心よりご冥福をお祈りいたします。

そして今日は、もう一つ。

新入荷の堀江さんのコンチョをご紹介。

堀江純作ウルフコンチョを入荷致しました。

ある時のラコタの風景を切り取ったような作品で、狼の遠吠えが今にも聞こえてきそうな、そんなコンチョになりました。

一緒に写っているのは狼の牙、この二つを組み合わせた作品を製作しようと思っています。

どういった作品になるかはお楽しみという事で、ご期待ください。

今日は僕に影響を与えてくれた職人さんの話と、今現在、お世話になっているアーティストさんのお話でした。